数年前、いつもの週末買い出しのために隣街に出店している全国チェーンスーパーマーケットへ出向いた時、何気なくジュースやお茶のコーナーをのぞくと出っ張った物が付いている缶コーヒーを見かけた。三缶しかなかったが、よくよく見ると車のミニチュアの景品らしい。プロジェクトXで放映された中の「スバル360」、「トヨタクラウン」、「マツダのロータリー一号車コスモスポーツ」ではないですか。買い占めて帰り開けてみると、それは気合いの入った造りだった。豆本が何より凄い。モーターマガジン社による18ページのも及ぶフルカラー解説本である。ミニチュアはと云えば、こんなに小さいのにシートやハンドルまで作り込んである。ペットボトルや缶コーヒーの景品でこんなに手の込んだ物は見た事がない。番組プロジェクトXに感化された企画マン達の気迫が伝わってくる景品である。
とりわけスバル360は思い出深い。二十代前半、今は腕時計関連業界で重責を担い大活躍中の友人を訪ねた時に、諏訪湖周辺を散策したのがスバル360だった。「三丁目の夕日」の一シーンを彷彿とさせるあの時代を鮮明に蘇らせてくれる、そんなスバル360である。